パンと触媒

皆さんが食べているご飯やパン、野菜、果物などの食料と触媒はどんな関係があるのでしょう?実は農作物などに必要な肥料に触媒が深く関係しているのです。農作物にとって必要な窒素肥料は従来、バクテリアなどの微生物が空気中から窒素を吸収し、アンモニアを作り、これが尿素などの窒素肥料になっていたのです。ところが人口増加に伴い,それに対応するだけの食料を確保するためには、人工的にアンモニアを製造する必要性がでてきました。このアンモニア製造の合成プロセスで、触媒が大活躍しているのです。現在世界では年間1億トンという大量のアンモニアが製造され、農業以外にも、化学産業における基礎原料としても重要な役割を果たしています。実はこのような活躍によって、複数の触媒研究者がノーベル賞を受賞しています。